ジャム瓶の脱気作業を成功させましょう!

ジャム瓶の脱気とは瓶の中の空気を追い出し内圧を下げることを言います。ツイストキャップのジャム瓶での充填時には内圧を下げる工程を取ることが一般的です。特にセーフティボタン付のツイストキャップを商用で使用する場合は必ず充填時に内圧を下げる工程を取らなければいけません。この内圧を下げる作業を「脱気:だっき」と呼んでいます。脱気作業はスクリューキャップの保存瓶等でも同様に行うことができます。

脱気作業の基本は以下の工程となります。

空寸の空気を加温して内圧を上げる ⇒ 上がった内圧を逃がして密封する ⇒ 冷却に従い内圧が下がる

 

 まず高温のジャムを充填して脱気の準備をします

空寸 『 くうすん 』 の空気を加温するにはあらかじめ温めたジャム瓶へ熱いジャムを入れます。満量容量に対して5%以上の空寸が必要ですので、充填量は95%以下になるようにします。充填量が90%未満(空寸が10%超)になると、瓶によっては内容量が少なくみすぼらしく見えてきます。またバキュームがききすぎて開封が困難になる場合があります。つまり内容量は90~95%がお勧めですが、90%程度が一番作業しやすいのではないかと思います。

充填後に軽く蓋をしてしばらく(1分程度)置けばジャム瓶の空寸中の空気層は熱せられ膨張し、更に水蒸気も加わり内圧が上昇します。ジャムの温度が低いと十分に内圧が上がりませんのでご注意ください。ここで言う軽く蓋を締めるというのは「力いっぱい締める必要は無い」ということであり、スカスカの状態で蓋を乗せるのではありません。一旦この時点で密封されていないと脱気に失敗する可能性が高くなります。作業は高温のものを取り扱いますので、厚手のゴム手袋等を装着し火傷をしないよう十分にご注意ください。

 次に蓋を緩めて脱気をします

上がった内圧を逃がすには一瞬キャップを緩めます。徐々に蓋を緩めていくと僅かな隙間ができた瞬間に内部の空気が逃げていきます。この際に「シュッ」という音がきこえる場合もありますし、条件によっては音が聞こえにくい場合もあります。緩めるのは僅かな隙間を一瞬であり、すぐに巻き締め(本締め)します。ここでカバっと蓋を外してしまうと冷たい空気が入り込み脱気に失敗しますのでご注意ください。

尚、スクリューキャップの場合は最後の本締めで締め過ぎると開封困難になりますのでご注意ください。

 以上で脱気作業は完了です (^o^)/

 

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脱気後に必要に応じて煮沸消毒をして下さい。ジャム瓶等を煮沸消毒する場合は必ずキャップの部分は水面より上に出してください。キャップの塗装面の損傷や、早期の錆発生の原因となるため、ジャム瓶等のガラス瓶のドブ漬け殺菌は厳禁です。

脱気作業は煮沸消毒後でも可能ですが、脱気をせず加熱殺菌をした場合、稀に内圧で蓋が変形する場合があるのでご注意ください。

あとは常温に近付くに従って内圧は下がっていきます。セーフティボタン付の場合は内圧が下がればボタンが凹みます。セーフティボタンの無い蓋でも僅かに内側に凹みますので、慣れてくれば目視で判断できる場合がほとんどです。

熱いガラス瓶を強制的に冷却する場合は温度差で瓶が割れる可能性がございますので、温度差が40度以内になるようご注意ください。強制冷却でも自然放冷でも内圧に差異は発生しません。

上記の工程を取ることにより内圧を下げ、適切な密封と保存性が期待できます。

脱気の工程は勿論ジャム以外の内容物でも高温充填であれば可能です。またツイストキャップでもスクリューキャップでも同様におこなえます。

 

 ジャム瓶をひっくり返していませんか?  

ジャム瓶の脱気の方法に ついては誤解が大変に多いので注意が必要です。

緩めにキャップを締めて煮沸消毒をして脱気をするという方法があるようですが、緩めというのが極めてあやふやであり特にツイストキャップではお勧めできません。スクリューキャップであれば、その容器・方法に熟練した方であれば脱気できるのではないかと思います。しかしツイストキャップで内圧が逃げるほど緩めの状態とはすぐに蓋が外れる状態であり、作業性が悪く尚且つ危険ですのでお勧めできません。また蓋が緩すぎると内圧を逃がすだけでなく、何かのはずみに空気や水などを吸い込むリスクもあります。逆に蓋が簡単に外れない程度に締まっていればそう簡単に内圧は逃げません。

充填後に加熱殺菌するだけで脱気できるということはありません。熱いものを充填するだけで、最終的にはある程度内圧は下がります。ただそれでは脱気した場合に比べて内圧の下がり方が十分ではなく、セーフティボタンが凹まないといといった現象が頻発します。脱気をするためには必ず内圧を逃がす工程が必要です。

加熱殺菌後に瓶を反転させれば脱気できるということはあり得ません。脱気するには必ず内圧を逃がす工程が必要です。高温時の内圧が高い状態で瓶を倒立させると、内圧により内容物が漏れ出す場合があります。デメリットの方が大きいと考えますので弊社では瓶をひっくり返すことを推奨いたしません。

大切なのはもし脱気が必須の場合、適切な作業で脱気を成功させることです。本に書いてあったからとかインターネット上(当店もアヤシイかも!?)に書いてあるからと情報をうのみにしない事が重要です。脱気が必要な場合はどうやったら瓶の内圧が下がるか、合理的な考え方に基き作業をご検討下さい。

 

 ツイストキャップとスクリューキャップの違いはこちらをご参照ください。

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